本名、素性が人に知られないように実名とは別の名前を仮につける。その名前の事をコードネームという。「007」あたりが有名所だろう。 パソコン関連でもコードネームは使われている。雑誌などで目にすることも多いだろう。昔はコードネームが雑誌などに掲載されることは少なかったが最近はそうでもないらしい。 Windows95の開発コードネームはChicago(シカゴ)だった。今年中に出ると言われているWindows98はMemphis(メンフィス)、WindowsNT5.0はCairo(カイロ)だ。マイクロソフトのOSのコードネームは都市の名前で統一されているのかと思ったらそうでもないらしい。WindowsCEというモバイル用コンピュータのOSがあるが現行のバージョン1.0はPegasus(ペガサス)というものだった。 サーバ関連ではExchange Serverの時期バージョンはPlatinum(プラチナ)、System Management Serverの時期バージョンはOpal(オパール)...貴金属関係かと思ったら、SQL Server 7.0はSphinx(スフィンクス)だった。 インテルの第1世代Pentium用チップセット82430LXのコードネームはMercury(マーキュリー)、それ以降のPentium用チップセット430FXはTriton(トリトン)、第1世代PentiumPro用チップセット450GX/KXはOrion(オリオン)...インテルのチップセットのコードネームは惑星、星座などの天文関係で統一されているらしい。 では私が使っているアップルのOSの開発コードネームはなんだろう。System7.5はCapone(カポネ)だった。System8はCopland(コープランド)、System9はGershwin(ガーシュウィン)。すべて人名だった。「だった」というのはCoplandの開発に失敗し、開発を中断したからだ。したがって現行のMacOS 8はSystem8とは別物である。ちなみにCopland、Gershwinはアメリカの作曲家などである。 結局MacOS 8はHermony(ハーモニー)というコードネームで開発された。次はAllegro(アレグロ)、Sonata(ソナタ)と続くらしい。私の記憶ではちょっとこのあたりはあやふやになっているが......。 アップルにはMacOSの他にRhapsody(ラプソディ)というOSも開発中である。RhapsodyにはUNIX系のOSでありながらユーザーインターフェースはMacOS風になるらしい。Mac用アプリケーションの動く部分をBlue Boxと呼び、UNIX用アプリケーションの動く部分をYellow Boxと呼ぶ。Rhapsodyというコードネームはやはり音楽関係になるのだが、実はGershwinという作曲家の代表的な曲に「Rhapsody in blue」という曲がある。おそらくはここから取っているのだろう。ちなみにYellow Boxだが、これはアップルコンピュータ創設者の2人がはじめて製品化した電話をただでかける違法機械の名前である。 アップルはソフトだけでなくハードも開発しているがちょっとおもしろい話がある。Power Macintosh 7100/66というコンピュータがある。このコンピュータのコードネームはCarl Sagan(カール・ザガン)、現在存命中の天文学者である。ところがこの天文学者から、人の名前を勝手に使うとは...と文句が出た。そこでアップルの社員はCarl SaganというコードネームをBHAにかえた。BHAとはButt-head Astronomyの略で「頭のカタイ天文学者」という意味なのだそうだ。しかしこれは裁判にもつれ込んでしまい、アップルは裁判に負けてしまった。そこでコードネームはLAWにかえた。これはLawyers Are Wimpsの略で「弁護士は弱虫だ」という意味らしい。
訂正:3段落目の「WindowsNT5.0」はWindows2000という名称で、8段落目「Rhapsody」はMacOS X serverという名称でそれぞれ販売されるようだ。
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