ファンタジーの世界にはいろいろな生物が存在する。ギリシャ神話にしても、北欧神話にしても、実に様々な生物が登場する。RPGには必ずと言っていいほど敵として登場し、冒険者の経験値となる。 chimera(キメラ)も幻想の世界でしか存在しない生物だ。元々の意味は“ライオンの頭とヤギの体とヘビの尾を持ち、炎を吐くギリシャ神話の怪物”である。生物学的にいうと遺伝的に異なる2つ以上の細胞が混じり合った生物を指すから、griffin(グリフィン、griffon、gryphonとも言う)や麒麟、鵺なんかも同類だろう。 本来は想像上でしか存在しなかったはずなのだが、最近の細胞工学の発達により、そうではなくなってきたらしい。ネズミやブタなどでは同種間のchimeraが誕生しているし、ヤギとヒツジという異種間のchimeraも誕生しているらしい。 アメリカでは驚くべきことにヒトとサルのchimeraに関する特許を申請する科学者があらわれた。とは言ってもヒトとサルのchimeraがすぐ作れるわけではない。特許を申請した科学者は作る気もないらしい。では、なぜ特許を申請したか?どうやら倫理的観点から見て、ヒトと何かのchimeraを作らせないために特許を申請したらしい。 しかし、そんなものが人の手で作ることができるなんて...。科学の力は偉大で恐ろしい。でも、よく考えてみたら“接ぎ木”もchimeraだ...。
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